記事一覧

稀少な幹細胞は、年齢とともに減少する

幹細胞は60兆個ある私たちの細胞の中に、たった30億個しかありません。30億個と聞くと「すごくたくさんある」と考えがちですが、60兆個の細胞の中で占める割合は0・005%しかないのです。さらに幹細胞は、加齢とともに減少してしまい、老化や病気を招き、やがて死が訪れてしまうのです。肌の幹細胞も同じように、加齢とともに減少します。美肌の源である幹細胞がなくなれば、線維芽細胞も生まれなくなり、肌がどんどん老化していきます。今まで紹介してきた、従来の肌美容、スキンケア、アンチエイジングの方法では、細胞から若返るという目標を満たすことができなかったのです。

しかし、細胞の成り立ちや幹細胞の研究が急速に進んでいく中で、幹細胞を活用したアンチエイジング美容が今まさに、可能になりつつあるのです。肌の幹細胞はどこにいるのでしょうか。これは最近の研究によって、真皮の中と、表皮の一番下の基底層に幹細胞があることが明らかになっています。表皮の幹細胞(以下表皮幹細胞)は、そこで自分と同じコピー細胞をつくり、さらに新しい角化細胞をつくります。こうして生み出された角化細胞が角層をつくって、肌のバリア機能を維持しています。

真皮の幹細胞(以下真皮幹細胞)も自分のコピー細胞をつくり、さらに線維芽細胞をつくって、コラーゲン、ヒアルロン酸、エラステンなどの美肌成分を補給します。肌の幹細胞の数を調べた結果、肌の幹細胞は年齢とともに減少してしまうことが明らかになりました。幹細胞の減少により、新しい肌を生み出す能力が低下して、肌が乾燥したり、シミ、シワ、たるみが目立つようになり、肌老化が進むと考えられます。肌の老化を防ぎ、若々しい肌を取り戻すには、減少していく幹細胞を何らかの手段で増やし、新しい肌を再生するのがベストな方法です。

肌を細胞レベルで若返らせる可能性を秘めている「幹細胞」

肌を細胞レベルから若返らせ、真の美肌を手に入れるための究極の美容法が、今、再生医療の分野から生まれつつあります。そのキーワードとなるのが、「幹細胞」です。「幹細胞」という言葉は聞きなれないかもしれませんが、実は肌細胞を若返らせるために、今、世界で最も注目されているものなのです。幹細胞を簡単に説明すると、骨、血管、肌、血液、心臓、筋肉など、体のいろいろな細胞に成長できる能力を持つ細胞です。この幹細胞を使って、人工的に培養した細胞や組織を用いて、臓器などの体の修復を行う医療のことを再生医療といいます。現在の幹細胞を使った再生医療の研究は、大きく3通りに分類されます。

(再生医療の主な種額)
①ES細胞
ES細胞は、以前はマウスからしか作ることができませんでした。しかし、現在では、ヒトの卵子からES細胞を作り出すことが可能になっていますが、将来的に一つの命となりうる卵子を使うことに対して、倫理的な問題が残されています。

②iPS細胞
京都大学の山中伸弥博士がノーベル賞を受賞したことで、一躍知られるところとなりました。ES細胞のように卵子を使うことなく、体内の線維芽細胞などを採取し、遺伝子操作をすることで、人工的に多能性の幹細胞を作り出すというものです。このiPS細胞(人口多能性幹細胞)は倫理的な問題をクリアしたことと、ES細胞を使った組織移植で懸念されていた他人の遺伝子が移植されることによる抵抗反応を回避できることから、再生医療の現実化を大きく推し進めると期待されています。

③成体幹細胞
体内に存在する「多能性」の成体幹細胞を使った再生医療です。私たちの腹部や太ももなどの脂肪の中にもたくさんの幹細胞が存在します。それを抽出して分離し、静脈注射をして難病治療やアンチエイジング治療に用いたり、乳がんなどでの乳房再建手術に用いたり、スポーツ選手などのひざ軟骨再生手術などに用いられています。

私たちの肌に含まれているコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸など、肌に必要な様々な細胞を生み出す「線維芽細胞」も、この幹細胞によってつくられています。まさに、幹細胞は美肌を生み出す源といっても過言ではないのです。

細胞に働きかける美容法とは?

ここまで、世間一般に広まっている様々な美容法を紹介してきました。しかし、今まで紹介してきた全ての美容法では、肌の老化の根本原因を解決することはできません。なぜなら、これまでの肌のアンチエイジング法は、不足した成分を補充したり、これ以上老化が進まないように保護するという対症療法だったからです。肌老化の原因は、加齢、ホルモン分泌低下、紫外線、喫煙、化学物質、大気汚染などですが、いずれの場合にも細胞の元気がなくなって、活性が悪くなることによって、肌老化が日立つようになるのです。これが肌老化の根本原因で、加齢、ホルモン分泌低下、紫外線、喫煙、化学物質、大気汚染などのストレスを受けた細胞から発生する「活性酸素」が、細胞の元気を奪っているのです。

活性酸素は細胞がエネルギーをつくり出すときにも細胞内に発生しており、これを打ち消して活性酸素を除去する酵素SOD(スーパーオキシドディスムターゼ)という「抗酸化酵素」も同時に生成することで、活性酸素は無害化されています。しかしSODの生産量は年齢とともに減少します。SODは35歳くらいから急激に減少し、それを境に活性酸素による老化現象が徐々に現れ始めます。活性酸素の大量発生に対してSOD生成が不足し始めると、除去しきれない活性酸素が細胞自体を傷つけるようになり、細胞の活性をさらに悪くします。これによってSODの生成能力がさらに低下するという悪循環に陥ります。

この悪循環によって、肌老化が進むのです。ですから、肌老化の根本原因を克服するには、肌細胞の活性を低下させないように、細胞を守るか、細胞を修復するか、さらには細胞の産生を高めるかという、細胞に働きかけるアンチエイジング法が必要なのです。実は私が注目している美肌成分があります。それが表皮のターンオーバーを改善する「成長(増殖)因子EGF」と、コラーゲンの生成を増やす「成長(増殖)因子FGF」、そして最も私が浸透させたい美肌成分が新しい細胞を生む「幹細胞培養液」です。

ローリスクで手軽なアンチエイジング法もある

良い美容医療や美容整形を受けるためには、経済的な余裕と良いドクターを探す方法が求められます。そのような大きなリスクを抱え込まずに、手軽にできるアンチエイジング法が私たちにもっとも身近な「スキンケア」です。化粧品ならローリスクで、少なくとも肌老化が悪化していくことはまず考えられません。しかし肌老化を遅くしたり、肌老化をリカバーして若返ってみせるという面と、効果の速度、つまり早く効果を実感したいという面では、スキンケアは美容医療や美容整形にはかないません。化粧品を使ってすぐに肌が改善されるという効果を感じるのは難しいですが、継続的に使うことによって肌をきれいに保ち、エイジングを緩やかにして、若々しい肌をキープすることは可能です。

そのためには、肌に合う化粧品を見つけて信じて使い続けることが大切です。継続する期間は最低一カ月以上が必要です。一口に化粧品といっても、使用されている成分はさまざまです。自分の肌トラブル、肌の悩みに応じて選ぶことができるのも化粧品のよいところといえるでしょう。たとえば、くすみのない美しい肌を少しでも維持したいというのなら、美白成分の配合されたものを選びます。厚生労働省が認可した美白成分は10種類あります。美白成分の定義については、「メラニンの生成・育成を抑制し、シミ・ソパカスを予防する」というものです。これらの成分は、紫外線によってできてしまったメラニンの育成や働きを抑えるものが多いので、メラニンがある表皮の基底層や真皮にまで浸透しないと効果を発揮しません。

美白成分として厚生労働省が認めた10種類は、①コケモモから抽出された成分であるアルブチン、②イチゴから抽出された成分のエラグ酸、③モミの木成分に似せた化合物であるルシノール、④ビタミンCを吸収しやすいよう加工したビタミンC許導体、⑤豚などの胎盤から抽出された最近注目されている成分のプラセンタエキス、⑥カモミールから抽出されたカモミラET、⑦シクロアミノ酸誘導体であるt-AMCHA、⑧粉末状の消炎剤のトラネキサム酸、⑨サフラワー油などから抽出されたリノール酸、⑩モクレン科の植物ホオノキの樹皮から抽出されたポリフェノールのマグノリナンです。これらの成分は、10年以上の歳月がかかるというかなり厳しい厚生労働省の審査をクリアして、美白成分としてお墨付きをもらったものなので、一つの目安として知っておくのも良いでしょう。もちろんこのほかにも美白成分として有効だと考えられるものは存在します。自分の肌質に合う、使い心地が良いものを選びましょう。

整形外科と形成外科の違いは?②

対して美容整形では、耳の上あたりの生え際から耳の前をメスで切り開いて、余分な皮膚を切って短くしてつなげ、さらに顔の筋肉を糸で引っ張り上げたりする「フェイスリフト」の手術を行います。特に最近では、皮膚だけでなく皮膚の下にある「表情性筋膿」という口元から耳の横までつながっている筋肉を引き上げることで、最大限のリフトアップ効果を発揮する方法が人気です。皮膚だけを引き上げる手術よりも自然に仕上がって、骨膜下リフトという骨のすぐ近くの組織を引き上げる大手術よりも傷跡や腫れが小さいのが特徴です。

しかし、あまりたくさんリフトアップすると、目元が吊り上って怖くなったり、常に引っ張られているような違和感を感じ、表情も固くなってしまうので、要注意です。また未熟な医師によって、耳の形が変形したり、耳の穴が小さくなってイヤホンが入らなくなることもあります。生え際の傷によっては、手術跡が脱毛してしまうケースも見られます。皮膚を切除せずに、気になる皮膚のたるみを改善する方法もあります。溶ける糸を使って、顔を引き上げるリフトアップ術です。

糸を挿入するだけなので、傷跡が目立たず、「メスを使ったリフトアップは怖い」と考える人には向いていますが、永遠に引き上げが持続するわけではなく、1年~1年半で効果がなくなってしまいます。なるべく痛くないように、手術後に傷が目立たないようにと、改良されつつある美容整形によるアンチエイジング法ですが、いずれも数十万円単位の高額です。誰もが簡単に手術を受けられるようなものではありません。メスを使わない注射などによる若返りも同じです。じっくり考えて行動するようにしましょう。