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幹細胞の分泌液は、再生医療に期待されている

ヒト幹細胞培養液は、再生医療にも応用が期待されています。たとえば、ヒトの骨髄から採った幹細胞が分泌した培養液をスポンジに浸み込ませて、イヌの歯ぐきの骨を5ミリ削ってその部分にスポンジを充てておくと、約4週間後に、歯ぐきの骨、骨と菌をつなぐじん帯、歯のセメント質が3ミリほど再生しました。これは、幹細胞培養液に含まれる増殖因子(グロスファクター)が、欠損した部分の周辺にいる幹細胞に幹細胞増殖をスタートさせるサインを送って、失った菌や歯ぐきの骨を再生したのではないかと分析されています。

ヒトへの応用が安全であると検証されれば、幹細胞培兼液を歯周病などで失った歯や歯ぐきを再生して治療する方法に応用でき、大いに期待されています。ヒトの乳歯から採った幹細胞を培養した幹細胞培養液を、脳梗塞を起こして足が動かなくなったラットに2週間、毎日点鼻したところ、6日後には歩けるようになり、脳梗塞を起こした部分も縮小したことが報告されています。

これも幹細胞培養液の増殖因子(グロスファクター)が、脳梗塞を起こして壊死した脳細胞の近くにある幹細胞に増殖を促すサインを送り、幹細胞を活性化させて、脳の細胞を修復したものと推察されています。これがヒトに応用されれば、全国に約140万人もいる脳梗塞患者の治療に使って、失われた脳の機能を回復させることで、運動機能障害やまひ、言語障害などを予防・治療することができるかもしれないと期待されています。