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細胞レベルで取り組むアンチエイジング

今までも、肌老化に抗うためのアイテムは多数登場しましたが、そのほとんどが「肌の表面に不足している成分を補うもの」でした。水分、油分などのバランスを整え、加齢と共に減少する皮脂の分泌や新陳代謝の遅れを外側から塗って補うというコンセプトがほとんどです。最近では、肌の真皮にあるハリや弾力のもとになるコラーゲンやヒアルロン酸、エラスチンなどの美肌のもととなるタンパク質を補うというコンセプトのものも多くみられます。しかしこれらは全て、「健康な肌を生み出す細胞が十分に存在する」という前提がなければ、焼け石に水となってしまいます。

どんなに美容成分を与えようとしても、それに反応して活用する幹細胞がなければ、意味がありません。そこで必要になるのが「細胞レベルのアプローチ」、つまり幹細胞を増やす、補うという働きを持つ美容のアプローチが、肌の根本的な若返りには必要不可欠なのです。もちろん、水分、油分、コラーゲン、ヒアルロン酸、エラスチンなどは、とても重要な美容成分です。しかしその前に、その美容成分を活用することのできる元気な細胞が、肌に存在していることが大切なのです。そこでポイントとなるのが、前述の再生医療の美容分野への応用です。

幹細胞という万能細胞を使って若返る方法は、魅力的ではありますが、かなり高価な治療法になるため、誰でも手軽に受けられるものではありません。しかし最近では、幹細胞を移植するのではなく、「幹細胞が分泌する成分」を使ってそれを再生医療に応用する方法が注目されています。この方法に用いられるのが「幹細胞培養液」で、ヒトの幹細胞を培養する際に幹細胞自身が分泌する成分がたっぶりと含まれています。幹細胞は自分が増殖するときに「これから幹細胞の増殖をスタートするぞ」というサインを出すタンパク質(これを成長因子、増殖因子、グロスファククーと呼びます)を幹細胞自身が生み出すのです。これによって幹細胞自身が細胞分裂をスタートします。

この「これから増殖するサイン」こそが、幹細胞培養液に含まれる成分で、しかもこのサインは1種類だけでなく約200種類以上も含まれているのです。幹細胞が増殖するためには、実に200種類以上のタンパク質によるサイン、合図、号令が必要なのです。幹細胞以外の細胞は、増殖する際にこんなにたくさんのサインを必要とはしません。しかし幹細胞はどんな細胞にもなれる万能で特殊、そして稀少な細胞なので、数多くのサインを分泌するのです。幹細胞培養液は、言ってみれば、幹細胞の増殖のサインを出し、さらに幹細胞の増殖を応援するサポーターでもあるので、幹細胞が増殖するためには必要不可欠なものです。